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2022.01.07

男性腹圧性尿失禁治療の医療機器・体外診断薬部会での承認了承のお知らせ

サイトリ・セラピューティクス株式会社(以下「サイトリ」)が開発した高度管理医療機器「セルーション セルセラピーキット SUI」について、2021年12月16日(木)に開催された厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)で審議の結果、男性腹圧性尿失禁治療のための医療機器として承認が了承されましたのでお知らせします。今後、保険適用に向け手続きを行います。

2015年9月より、名古屋大学医学部附属病院泌尿器科の後藤百万教授(治験当時、現在:独立行政法人地域医療機能推進機構 中京病院 病院長)を治験調整医師として、金沢大学附属病院、信州大学医学部附属病院、獨協医科大学病院との多施設共同治験を男性腹圧性尿失禁の患者に対して、日本で初めて脂肪組織由来再生(幹)細胞(Adipose Derived Regenerative Cells、 以下「ADRCs」)を用いた医師主導治験(以下「本治験」)が実施され、2019年11月に終了しました。本治験では、尿失禁量が中等度以下で、行動療法および薬物療法が無効または効果不十分、あるいは薬物療法が実施困難で、術後1年以上継続する男性腹圧性尿失禁患者において、ADRCs、並びに脂肪組織とADRCsを混和したものを経尿道的内視鏡下で単回傍尿道周囲へ投与した時の有効性及び安全性を確認したところ、安全性が確認され、有効性については、予め設定していた基準を達成致しました。その結果に基づき2019年12月に厚生労働省に製造販売承認申請を行っておりました。
今後、正式に承認を得られれば、日本は、本治療で製造販売承認を取得した初めての国となります。

後藤百万名古屋大学名誉教授(現 中京病院 病院長)は、次のように述べています。「私共は名古屋大学医学部附属病院泌尿器科において、先端医療開発部の支援を受け、脂肪由来幹細胞を用いた再生治療の開発を目指し、基礎研究から臨床開発まで約10年間にわたるTranslational researchを精力的に行ってきました。本治療は、吸引採取した腹部脂肪組織からセルーション セルセラピーキットを用いてADRCsを抽出し、経尿道的に尿道括約筋部に注入するものであります。この治療は、自己組織由来の細胞を用いること、体外での細胞培養操作を必要としないこと、脂肪吸引・ADRCs抽出・尿道注入までを3時間程度の一連の操作で実施できることから、低侵襲、かつ短時間で実施できる有望な治療法と考えています。本法は日本発・世界初の治療となりますが、医師主導治験が成功し、今回治療機器として承認を得られることになれば関係者にとって大きな喜びです。今後は、可及的早期に保険適用を得て、尿失禁に悩む患者さんに本治療を提供できるようさらに努力を重ねたいと思います。」

腹圧性尿失禁について
腹圧性尿失禁は、尿道括約筋機能の障害により、腹圧負荷時に尿が漏れるものです。女性においては妊娠・出産・加齢による骨盤底筋群の脆弱化や婦人科的手術による括約筋障害に起因し、本邦では約400万人の患者がいると推定されています。また、男性においては前立腺肥大症、前立腺癌の手術における括約筋障害により引き起こされるケースが多くみられ、女性に比べれば頻度は低いものの数十万人の罹患者がいると推定されています。腹圧性尿失禁は直接生命にかかわることは稀でありますが、日常生活の多くの領域で支障を及ぼし、生活の質(QOL)を著しく障害する疾患です。特に男性の腹圧性尿失禁は、前立腺肥大症、前立腺癌手術後の罹患率が非常に高く、QOLを障害するものであること、また低侵襲で治療効果の高い治療法が現存しないことから、新規治療法の開発が急務とされています。1

  1. 後藤百万:自己脂肪組織由来幹細胞を用いた新たな尿失禁治療.泌尿器外科.2016;29(1):3-7.

脂肪組織由来再生(幹)細胞(ADRCs)を用いた腹圧性尿失禁治療
麻酔下に約250~300mL程度の皮下脂肪吸引を行い、吸引脂肪組織からサイトリが開発した「セルーション セルセラピーキット SUI」および「セルーション 遠心分離器」を用いてADRCsを抽出します。本治療では脂肪組織と抽出したADRCsを混合し尿道括約筋部粘膜下に注入、並びにADRCs単独を外尿道括約筋部に注入することで、尿道が物理的に閉塞され、腹圧性尿失禁が改善されます。また、ADRCsを混合することにより、脂肪組織の長期的な生着が促進されます。脂肪吸引、ADRCs抽出、尿道注入までを約3時間程度の一連の操作で実施することができます。

サイトリについて
サイトリ・セラピューティクス株式会社は、多様な疾患治療を目的とした自己ヒト皮下脂肪組織から採取した非培養の脂肪組織由来再生(幹)細胞「Adipose Derived Regenerative Cells (ADRCs)」を用いた細胞治療を開発しているセルセラピー企業です。各種前臨床試験の論文において、ADRCsが血管新生、抗炎症、および線維化の改善に関与していることが示唆されています。

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