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2020.04.07

非培養自己ヒト皮下脂肪組織由来再生(幹)細胞を用いた肝硬変治療 に関する国内治験の終了に関するお知らせ

金沢大学附属病院とサイトリ・セラピューティクス株式会社(以下「サイトリ」)は医師主導治験(以下「本治験」)の実施に係る契約を締結しており、肝硬変に対する非培養自己皮下脂肪組織由来再生(幹)細胞(Adipose Derived Regenerative Cells、以下「ADRC」)を用いた肝再生療法を目的として、大阪医科大学附属病院との多施設共同治験を2017年10月から開始いたしました。

このたび、全症例の観察期間が終わり、治験終了届書が独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)に受理され、本治験が終了したことをお知らせいたします。

本治験では、非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis: NASH)または脂肪性肝障害を基盤にした肝硬変の患者を対象としました。自己皮下脂肪組織からサイトリが開発したセルーション遠心分離器とセルセラピーキットを用いてADRCを抽出し、これをカテーテルを用いて経肝動脈的に肝臓へ投与します。

7例の肝硬変症例の試験結果から、経肝動脈経由によるADRCの肝臓への直接的投与による肝再生療法の有効性が示唆され、安全性が確認できたと考えます。

なお、本治験は日本医療研究開発機構(AMED)の事業として支援を受け、実施されております。

非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis: NASH)について

日本消化器病学会は非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は「組織診断あるいは画像診断で脂肪肝を認め、アルコール性肝障害など他の肝疾患を除外した病態」と定義しています。病態がほとんど進行しないと考えられる非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver : NAFL)と、進行性で肝硬変や肝癌の発症母地にもなる非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)に分類されます。1

NAFLD/NASH の患者数は,肥満人口の増加に伴い世界的に急増しています。日本においても、生活習慣の欧米化に伴いメタボリックシンドロームの患者数が増加し、NAFLD/NASHはメタボリックシンドロームの肝臓における表現型と考えられています。検診や人間ドックのデータからも30%ほどの受診者に脂肪肝がみられます。NAFLDの有病率については、最新の大規模調査では29.7%と報告されています。1一方,NASHの有病率はどの国や地域においてもいまだ正確には把握されておりませんが、最近では世界的には3〜5%、日本では100万人以上と推定されています。2

1. 日本消化器病学会:NAFLD/NASH診療ガイドライン2014: https://www.jsge.or.jp/guideline/guideline/pdf/NAFLD_NASHGL2_re.pdf

2. Kim SR, Kim KI. [An Overview of NAFLD/NASH in Japan]. Yakugaku Zasshi. 2016;136(4):565-72. doi: 10.1248/yakushi.15-00264-1. Review. Japanese.

肝硬変について

肝硬変とは、B型・C型肝炎ウイルス感染、多量・長期の飲酒、過栄養、自己免疫などにより起こる慢性肝炎や肝障害が徐々に進行して肝臓が硬くなった状態をいいます。慢性肝炎が起こると肝細胞が壊れ、壊れた部分を補うように線維質が蓄積して肝臓のなかに壁ができていきます。肝細胞は壁のなかで再生して増えるため、最終的に壁に囲まれた結節を作ります。肝臓がこのようなたくさんの結節の集まりに変化したものが肝硬変です。3

日本での肝硬変の発生率内訳はウイルス性肝炎・肝硬変(B型・C型肝炎ウイルス)、アルコール性肝硬変およびその他が各々66%、18%および17%です。3 全肝硬変患者のうち、NASHによる肝硬変の発生率は2.1%と推定されています。4 肝硬変の治療法は、内科的治療に反応しない、または無効である場合、肝移植が唯一の治療手段となります。

3. 日本消化器病学会:患者さんとご家族のための肝硬変ガイド: https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/pdf/04_kankouhen.pdf

4. 日本消化器病学会:患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド: https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/pdf/04_nafldr.pdf

サイトリについて

サイトリ・セラピューティクス株式会社は、多様な疾患治療を目的とした自己ヒト皮下脂肪組織から採取した非培養脂肪組織由来再生(幹)細胞「Adipose Derived Regenerative Cells (ADRC)」を用いた細胞治療を開発しているセルセラピー企業です。各種前臨床試験の論文において、ADRCが血管新生、抗炎症、および繊維化の改善に関与していることが示唆されています。

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